コラム

日々の弁護士活動に関する話題や、日常生活で感じた事、考えさせられた事などを取り上げてご紹介します。ご意見・ご感想などいただければ幸いです。

[ヨーロッパ見聞録]
花の都パリ~I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it

魅力いっぱいの街

歴史、文化、町並み、グルメ、ファッション…と、世界中の人々を虜にしてしまうパリ。もう、パリというだけでその辺に書いてある落書きさえ「おしゃれ~」って気分になってしまいます。

@シャンゼリゼ通り

パン屋さんでバゲットを買ったおじさんが、そのままバゲットを2つ折りにしてリュックに入れているのを見たことがありますが(お昼にかじるのでしょうか。袋に入れないあたりがエコでフランスっぽいですね(笑))、そういう行動もパリジアンってだけでカッコよ~く見えてきます(東京で見たら「汚くない!!」となってしまいそうです)。

表現の自由とダブルスタンダード

そのパリが、今、新聞社への襲撃で大変なことになっています。襲撃に対して「表現の自由の侵害だ!」として、大規模なデモも行われました。

「他人の宗教を馬鹿にしておいて何が表現の自由だ!」という主張も聞かれますが、デモに参加している市民には「宗教を馬鹿にする表現には賛成しないが、表現をする権利は守られなければならない」(フランスの哲学者・ヴォルテールの言葉とされている~I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say itという考え)の方も多いとか何とか。つまり、「自分が賛成か反対かは別として、表現をする権利はいかなる場合にも保証されなければならない」ということのようです。

ところが、現実にはフランスが法律で表現の自由を制約するような法律を作っていることも事実です(ナチスを賞賛するような表現の禁止(ドイツもそうですが)・イスラムの女性が公共の場でブルカをかぶること(という信仰の表現)の禁止など)。さらに、日本の「ヘイトスピーチ(という言論)」の批難などもしています。

‘I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it’と主張しながら、表現内容によっては規制をする。これは、「都合の良いときだけ表現の自由は制限が無い・都合が悪くなると制約もOK」というダブルスタンダードなのではないでしょうか。

「表現の自由が何かの制約を受けるのか、それとも表現である限り制約は無いのか」というとても難しい問題に対し堂々と意見述べられるほど、私は表現の自由に関して勉強をしたわけではありません。が、ダブルスタンダードはいけません。ダブルスタンダードな主張によって、「表現の自由」というものが「胡散臭いご都合主義で用いる言葉」に貶められてしまっているように思います。

理想論では片付けられない欧州の多文化問題

「ダブルスタンダードはいけません!」と綺麗事を述べましたが、現実には、フランスを含む欧州での現実の移民問題は非常に切実です。ロマ(ジプシー)などの不法移民の問題、アフリカ系移民による犯罪問題、イスラム系移民による文化問題。。。。

実際、私もスーパーでアフリカン系の人にひったくりに遭いそうになったり、ロマ系の人にお財布をすられたりしたことがあります。パリで見た「警察密着24時」のような番組では、「パリ市内では毎日数件の強盗が発生しますが、、、」などと言っていって、治安の悪さに驚愕したほどです。

「自由」「権利」「差別は良くない」という理想は大事です。しかし、このような「言葉」で片付けられないくらい、欧州での現実の多文化問題は切実なのです。。。 現在、「極右」とされる「国民戦線」という政党が急激に指示を伸ばしているのも、こういった「現実的」な背景があるのでしょう。

▲ページの先頭へ